回れ、メリーゴーラウンドのように ~チャリウッド2016・その3~

【第1幕】

(舞台上、ベンダーが設置されている。ベンダーの中にQが待機)

 

(男の子登場。ベンダーに近寄り、ぷっちだるの商品名である「応援」のボタンを押す。)

(Q、ベンダーの中から通行人のようなそぶりで登場。男の子に気づき声をかける。)

 

Q「あれ、久しぶり!こんなところで会うなんて奇遇だな。どうしたんだ。

買い物かい?」

 

(聴衆から笑い声。男の子、少し戸惑いながらうなづく。)

 

Q「そうかそうか。あれ、何だか浮かない顔してるな。何かあったのか?」

 

(男の子、どう答えていいか分からずにうつむく。)

 

Q「まぁ人生いろいろあるよな。けど、元気出せよ。そうだ。

景気づけにあの頃2人でよく歌った曲。あれを歌おうか。どの曲かって?決まってるだろ。『魂のルフラン』だよ。」

 

(聴衆から笑い声。男の子、聞いたことがないというそぶりで顔を横に振る。)

 

Q「何を照れてるんだよ。久しぶりだし仕方ないか。よし。誰か一緒に歌ってくれる人はいませんか?」

 

(ぷっちだるのメンバー、わらわらと集まってくる。)

 

J「どうした、どうした。」

A「え、一緒に歌おうって?」

G「いいよ。歌いましょう!」

Q「じゃあ歌おうか!『魂のルフラン』!!」

 

(「魂のルフラン」演奏。繰り返しの部分からぷっちだる全員で

男の子を中心にして輪になって周り始める。聴衆から笑い声。)

(演奏終了)

 

Q「いろいろあるけど・・・」

ぷっちだる全員(「(声を合わせて)ガンバ!!」

 

(ぷっちだる、散り散りになって聴衆に紛れ込む。Qは再びベンダーの中へ。)

(男の子、親の元へ帰る。聴衆から笑いが起きる。)

 

【第1幕 了】

・・・これだ。この流れだ。

彼らは確信した。

お客さんとの絡みも交えながら、話の流れをこちらのやりやすい方に持っていく。

勝つためには、まず自分たちのフィールドに相手を引きずり込まないといけない。

そして、分かりやすいストーリーとキャラクターの設定。もちろんそこには全く意味も脈絡もない。

しかし、なぜ彼らが歌うのか、その理由ははっきりわかるのだ。

歌う曲も随分と端折った。基本的にサビの部分だけを歌うことにした。

観客は歌を聴きに来ているわけではない。パフォーマンスを観に来ているのだ。

更に場を盛り上げるために動きもつけた。お客さんの周りをクルクルと輪になって周ることにした。

動きは掛け値なしに観衆の眼と心を惹きつける。

おっさん達がキャッキャキャッキャ言いながら楽しそうに円舞する。それだけで笑いが生まれる。

他のパフォーマーは単独がほとんどだ。しかし、ぷっちだるにはメンバーがいる。

その点を如何なく利用した。

これがぷっちだるである。

失敗したならすぐに軌道修正を行う対応の早さ。

失敗の理由を真摯に受け止めて全く違う動きを入れてくる大胆さ。

ミスを嘆くのではなく、それさえも糧にして笑いに変える潔さ。

そして、そのことに気づかせてくれたのが今回の「チャリウッド」だった。

正直悔しかった。自分たちの力を過信していた。「何とかなるだろう」と楽観的に物事を捉えていた。

 

おかげで目が覚めた。

 

やはり、彼らはステージを愛しているのだ。自分たちだけが気持ちいいステージなんてあり得ない。

お客さんが喜んでくれて初めて意味のあるステージになる。

彼らはまた走り続けるのであろう。どこまでも、どこまでも。

自分たちが本当に満足するところまで。

いや、満足なんてすることはできないのだろう。

1個できたら、10個やりたいことが増える。そんなものである。

だから、彼らは走り続ける。

裏街道をまっすぐに、誰もいない道をただひたすらに・・・。

 

 

〔追記〕

いやいや、それにしても今回はよく頑張りました。

第1部の途中、本当に「帰ったろうかな」と思いましたからね。

「熱中症とかで気分悪くならんかなぁ。」とも思いましたが、

どうやら体は極めて健康のようです。だって、嫌ですよ。

メンバーと離れて独りで箱の中に入るのは(笑)。

ココだけの話、本当は子供が好きなんですよ、僕ら。

だからこそ子供たちには申し訳ないことをしたなぁと反省しています。

子供たちのあんな表情を見るのは本当に心苦しかった!!

抱きしめて「高い、高い!」とかで誤魔化したかったですね(涙)。

今回のステージを通じて、心はかなり鍛えられました。

ええ、完全に鋼の心になりましたよ。もうちょっとやそっとじゃ折れませんよ!

あ、けど狙ったところで笑いが取れなかったら一気にヘコむでしょうけどね(笑)。

結局第2部は3回パフォーマンスを披露しましたが、

第1部とは打って変わって盛大な笑いと拍手をいただきました。

そういえば手拍子も自然と観客の皆さんから起こっていましたね。本当にありがたいことです。

マイクがなかったのも僕らにとっては非常に痛手でしたが、

反って良い経験になったと思います。張った声には説得力と迫力がある。

マイクがあっても、歌い手はもっと声を張らないといけませんね。

もう完全に新しい扉を開けてしまいましたね。オープン・ザ・ドアです。

そのままですね(笑)。この新しい扉の向こう側を、ぜひ皆さまにもご覧いただきたいですね。

見えちゃいけないものまで見えてしまうかも知れませんがね。

それにしても、我ながら元気だと思いました。あの日は本番終了後、

スタジオで更に2時間練習をしましたからね。

そんなこんなで、終わってみればとても楽しい時間でした。

またこのような機会があればぜひチャレンジしてみたいですね。

今度はあらかじめネタを練りに練って作ってやりますけどね!!

 

 

 

勝者なき戦い ~チャリウッド2016・その2~

―その後。

地獄のような44分を過ごし第一部終了。

瞼の裏に映るのは、宇宙刑事ギャバンをおっさん達に歌われ立ちすくむ少女の姿。

♪ 男なんだろう~?

いえ、女ですけど?

極度の疲労感の理由は、ベンダーの中がサウナ状態だったからだけではないだろう。

誰からというわけではない。その言葉は、自然と彼らの口からこぼれた。

それは、彼らのうち誰もが思っていたことだった。

「何とかしよう。」

彼らは考えた。

他のパフォーマーのネタはウケていた理由は何か?

お客さんたちが求めているものは何か?

自分たちに足りないものは何か?

やがて彼らは、1つの答えを導き出す。それは、

彼らが奇しくも総合エンターテインメント・グループを名乗る上で必要不可欠なものであった。

それは、「分かりやすさ」だ。

考えてみれば「分かりやすい」とは一体どういうことだろうか。

注意しなければならないのは、「分かりやすい」というのは必ずしも

「正しい」とは限らないことだ。

刀で切られると死んでしまう。

帯を引っ張ると体がクルクルと回ってほどけてしまう。

友達の期待に応えないと「バカ!」と言って怒られる。

すべて、原因と結果がはっきりしている。ストーリーや役割がはっきりしているのだ。

しかし、彼らはどうだったか?

ベンダーから人が出てきて歌い出す。大人たちが数人集まってきて更に歌い出す。

そこには、はっきりとしたストーリーがない。

故に初めて彼らを見た人間にとっては「分かりにくい」ものになってしまうのだ。

おっと、話が何だか反れてしまったようだ。しかし、この話は実話である。

彼らは本当にこのような話し合いを第2部の直前に行っていたのだ。

茶屋町の歩道の上で。

そして彼らは考えた。まずはキャラと設定が必要であると。

ベンダーから出てきた瞬間から、その世界に入り込む必要があることを。

こうして出来上がった新しいスタイル。全くゼロからのプロダクツ。

さぁ、いざ行かん。第2部のステージへ。

ご覧いただきましょう!

総合エンターテインメント・グループ「ぷっちだる」プレゼンツ!!

ストリート・ショート・ショー「偶然街で出会った友人が

浮かない顔をしていていたのであの頃の思い出の歌を歌ってみた」

(続く)

 

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勝者なき戦い ~チャリウッド2016・その1~

これまで―

ぷっちだるの活動を見てきた親しき者達に告ぐ。

これより先は見てはならぬ・・・

其は見ずとも良い物語。

見ずとも良い。

見れば心憂い必ずや後悔する。

これより先は見てはならぬ物語なのだ。

ABC主催「中之島春の文化祭2016」から数週間。

次なる彼らの舞台はMBS主催「チャリウッド2016」。

梅田・茶屋町を中心に開催されたイベントである。

ABCに続いて今度はMBSか。いよいよ俺たちの時代がきたんじゃね?

もしかするとそんな甘い考えが彼らの中にはあったのかもしれない。

事の発端は「中之島春の文化祭2016」の会場でのこと。

劇団に所属しているQの知り合いが偶然この文化祭の舞台に出演していたことから始まる。

Qがアカペラをやっていることを知らなかったその知り合いがぷっちだるの

ステージを観て偉く興奮し、「今度MBS主催のイベントに企画を出すんだけど

ぷっちだるも出演してみない?大丈夫!ぷっちだるだったら全然OK!!」と

誘われたのである。

大丈夫。

辞書で意味を調べてみると、「危なげなく安心できるさま」をいうらしい。

あるいは、「間違いがなくて確かなさま」もいうとのこと。

名詞形では「りっぱな男子。ますらお」も意味するらしい。

なるほど。大丈夫。ということは大丈夫なのだろう。

気持ちの良い五月晴れのもと、いざ茶屋町に集合。

おぉ、何か思ったよりも賑わっているな。というか、完全に人が多いな。

あれ、このイベントって想像以上にちゃんとした系のやつじゃないか?

しかし、彼らはまだ気づいていなかった。

これから始まるあの悪夢のような時間のことを。

 

今回彼らが参加する企画は「茶屋町ベンダーズ」というものであった。

企画したのはQの知り合いが所属する劇団。

そう。

その企画に参加するのは基本的にその劇団に所属する役者さんだったのだ。

究極のアウェー状態。

しかも役者さんだけあって衣装もメイクもばっちり決めている。

企画の内容は以下のようなものだ。まず自動販売機(ベンダー)に

パフォーマーが入る。つまり、パフォーマーは商品ということだ。

お客さんは専用のコインをベンダーに投入し、好きな商品を選ぶ。

選ばれた商品(パフォーマー)は自動販売機から外に出てパフォーマンスを披露する。

ちなみにベンダーの全面は扉になっており、そこからパフォーマーが

出入りする仕組みだ。

ベンダーには人数の関係でQだけが入った。そもそもベンダーには3人しか入れない。

ぷっちだるの商品名は「応援」となった。ぷっちだるの演奏を見てくれた

Qの知り合いが名付けてくれた。彼らのパフォーマンスを見てそう感じたのだろう。

ベンダーにスタンバイしたQは内心こう考えていた。

1発目は当たるな。

そもそもパーフェクト・アウェーの状態である。まずは様子を見てお客さん

の反応を確かめたい。そもそもどの年代のお客さんが来るか予想もできない。

こんなに消極的になったのはいつぶりだろう。

いざ販売スタート。

ベンダーの全面にはマジックミラーが張られており、中からお客さんの様子

も観察できる。

さて、はじめのお客さんは?

・・・って、子どもばっかりじゃないか!!!

やばい。

マジでやばい。

確実に引かれるでしょ。

早まる鼓動。滴り落ちる汗。

果たして始めに選べれる商品は?

♪ピンピロリ~ン

「おっと最初は、『応援』で~す!」

軽く気を失いそうになるQ。

それでも意を決してベンダーの外へ。

果たして子どもの反応は!?

・・・言い忘れていたことがある。パフォーマンスの時間は1分。

しかし彼らにとって、その1分は永遠のように長く感じられたという。

大丈夫。

危なげなく安心できるさま

間違いがなくて確かなさま

りっぱな男子。ますらお

あはは。あっはははは。

気持ちの良い五月晴れの下、茶屋町MBS前。

そこには、振り絞るような声で歌うおっさん達の引きつった顔と、

おっさん達に囲まれてどうすることもできない6歳くらいの男の子の怯えた顔があった。

ベンダーの営業時間は残り44分。

正に勝者なき戦い。ウィン・ウィンの関係ならぬルーズ・ルーズの関係。

果たして彼らは生き残ることができるか。

(続く)

 

チャリウッド2016・その2へ

post

2016.04.03 新曲練習にて

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思いの外、スタイリッシュな写真が撮れました笑

2月の主催ライブを終えたぷっちだるは、さっそく新曲に取り掛かっています。

ぷっちだるのすごいところは、新曲やります!となれば、一気に3、4曲増やすところ。

とりあえず全体の音をざくっとさらったら、とにかく一回通す。

そうやって歌ってみた雰囲気を共有した後、どの曲を中心に練習していくかを決めていきます。

今日の練習では、あの名作少女漫画の主題歌を…

おっと!ここからはライブでの演奏をお楽しみに!


○ライブ情報○

5/1 中之島春の文化祭2016 @ABCホール横野外ステージ

5/21 よりアイ @ディオス北千里

詳しくは、ライブ情報にて!

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そして、彼らは城壁を超える ~中之島春の文化祭2016~

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 こんな感覚はいつぶりだろう?

このヒリヒリとした緊張感。そう、この目だ。俺たちを見つめる「誰だ、こいつらは?」という目線。
久しぶりに感じたこの感覚。そう、アウェー感というやつだ。

 ここ最近、俺たちは「ミュージック・ラボ」や「よりアイ」など、いわゆるホームでの戦いが多かった。

思い起こせば周りのすべてが敵に見えたあの頃。

どしゃ降りの雨の中、路地裏に逃げ込んで走り続けたあの日々。俺たちにできたのはただ叫ぶことだった。

けど、不思議なことに俺たちには不平や不満といったものはなかった。そこには、同じものを求めて一緒に走る仲間がいた。仲間と一緒に歌える歌があった。

その時からだ。俺たちが裏通りを走り続けるようになったのは。

今は誰にも気づかれなくたっていい。いつの日か、ここで誰かが叫んでいた。その痕跡だけを残せればいい。そう思っていた。

だから俺たちはがむしゃらに叫び続けた。触るものはみんな傷つけた。分かり合えた友の愛する人さえも欲しがっていた。

ビルの隙間にむなしく響き渡る己の叫びを聞きながら、それでも俺たちは走り続けた。

それがいつの間にかどうだ。俺たちはまるでぬるま湯に使っていた。

少しばかり褒められたからと言って調子に乗っていた。

緊張感のない日々を送り、このヒリヒリするような感覚を忘れていたんだ。

やってやる。あの頃のように、俺たちのことを知らない奴らの心に、俺たちの名前を刻み込んでやる。お前たちの記憶に、忘れられないフレーズを刻み込んでやる・・・!!!

・・・と思ったかどうかは別にして、ということでやって参りました。

ABCホール開設8周年記念「中之島春の文化祭」でございます。

いやいや、遂にテレビ関係のイベントに出演ですよ。放送倫理とかに引っかからないですかね。

え、テレビには映らない?「余計な心配はするな、この猪口才が。」と。

なるほど、なるほど。ごもっともでございます。

我ら裏街道をまっしぐら、オンリーワンだからナンバーワンをモットーに活動する総合エンターテインメント集団ぷっちだるでございます。

テレビに映るよりもまず観客の皆様に夢と希望と明日の勇気、そして大きな笑いをお届けするのが我らの宿願でございます。

さてその宿願を果たすべく、まずお送りいたしましたのはアニメ進撃の巨人の主題歌「紅蓮の弓矢」でございます。

はい、そうですね。M○Sの番組でございます。

初っ端からぶつけてきましたね。

けどさすがに2曲目は大丈夫でしょう。

何?次は2曲続けてお届けですと?ははーん。て言うと、ここの天下のABC様にあやかろうという魂胆でございますね。旦那も人が悪いや。へへ。

てことで、何を歌んでございますか?

何々。格闘漫画の金字塔、北斗神拳を自在に操る世紀末救世主伝説をテーマにしたアニメ。

てぇと、「北斗の拳」でございやすね!

それ、8チャン!!

ABC、6チャン!!!

しかも「youはshock!」の曲じゃなくて、「silent surviver」と「tough boy」ですって!?
何だかセリフも入ってるし、やりたい放題じゃないでゲスか!!

次はしっかりと決めて下さいよ。

6チャンと言えば色々あるでしょう。もっとこう、国民的なアニメが。金曜日にやってるやつね。夜の7時頃からやってる。そうそう、あれですよ。

そうそう、「宇宙刑事ギャバン」ね。

それ、7時30分からのやつ!!

30分ずれてしもてますやん!!!

ていうか、今はもうやってないでしょ!?

え、もう最後の曲?

あっしはもう疲れやしたよ。どうせ6チャンじゃないんでがしょ?

え、次はちゃんとやる?本当ですか。

で、何を歌うんでやんしょ?え、ロボット系のアニメでやんすか?

6チャンでロボットといえば、何がありやしたっけ?

あ~、はいはい。「新世紀エヴァンゲリオン」ですね。
はい、ちゃんとやってません。結局好きな歌しか歌ってません。

まぁね、僕らはこんなもんでございます。それでも皆さまの心に、記録ではなく記憶を、感傷ではなく印象を残せたればこれ幸いでございます。

次の出番はよりアイですか。

え、もしかするとまた別のイベントに出るかも知れないって?

オラ、ワクワクしてきたぞ!!

(終)