【アカペラ向け】PA機材でやりがちな間違いと正しい使い方

アカペラのステージでは、PA機材(音響機材)を使う機会が多くあります。
しかし、正しい知識を持たずに扱うと、音のトラブルや機材の故障につながることもあります。
この記事では、初心者がやりがちなPA機材の間違いとその正しい扱い方を、わかりやすく解説します。
1. マイクを叩いて音を確認するのはNG
マイクが使えるかどうか確認したくて、つい「トントン」と叩いてしまう人がいますが、絶対にやってはいけません。
マイク内部の振動板や部品は非常に繊細です。
叩くことで破損し、弁償の対象になることもあります。
安全な確認方法は以下の通りです。
- 軽く息を吹きかけて音を確認する
- 爪でマイクのグリルを軽くこすってみる(カリカリ音がすればOK)
2. スピーカーにマイクを向けると「ハウリング」します
マイクをスピーカーの方向に向けると、「キーン」という大きな音が鳴ることがあります。
これを「ハウリング」と呼びます(俗に言う”ハウる”)
ハウリングは、耳障りなだけでなくスピーカーやアンプの故障の原因にもなります。
マイクは絶対にスピーカーに向けず、スピーカーとは反対方向を向けて使用しましょう。
3. ミュートせずにケーブルを抜き差ししない
マイクや楽器のケーブルを、音を出したまま抜き差しすると「バチッ」という大きな音が出ます。
この衝撃音は、アンプやスピーカーに負担をかけてしまいます(最悪、壊れます)
抜き差しをする際は、
- 必ずPAスタッフに声をかける
- ミュート(消音)にされていることを確認してから抜き差しする
という基本を守りましょう。
4. 歌いながら客席に降りるときの注意点
アカペラでは、演出として客席に降りながら歌うことがあります。
このとき、注意しないとハウリングを起こすことがあります。
理由は、マイクを持ったままステージ前方や客席に出ると、スピーカー(特にモニター)との位置関係が変わり、音がスピーカーに回り込みやすくなるためです。
対策としては、
- 客席に降りる前にPAスタッフに動線を伝えておく
- スピーカーの位置を確認し、できるだけ前方や横を避ける
- マイクの向きを常に意識して、スピーカー方向に向けない
このひと手間で、演出も安全に行うことができます。
5. ボイパでマイクを囲うのは間違い
ボイスパーカッション(ボイパ)では、音をこもらせたりエフェクト的な音を出すためにマイクを手で囲う人がいます。
しかし、マイクを囲うのは一般的なボーカルマイクではNGです。
プロのビートボクサーは、手で囲うことを前提にした専用マイクを使用しています。
一般のマイクを囲ってしまうと、
- 音がこもって聞き取りにくくなる
- 音量調整(PAミキシング)が非常に難しくなる
といった問題が起こります。
一般のボーカルマイクを使う場合は、囲わずに自然に持つのが正解です。
もしボイパ専用のマイクを使う場合は、PAスタッフにあらかじめ伝えるようにしましょう。
まとめ:わからないときはPAさんに確認しよう
アカペラのステージでは、音を作るのはPAさんとの共同作業です。
マイクや機材を正しく扱うことで、トラブルを防ぎ、より良い音を届けられます。
迷ったときや演出を変えるときは、
必ず「PAさん、こうしても大丈夫ですか?」と一言確認しましょう。
それだけで、ステージも安心して楽しめます。





