アカペラ・エキスポ その2


物語は少し過去に遡る。
ぷっちだるのステージは、まず歌う曲の選別から始まる。
今回は10分間という演奏時間の制約があるため、まずは短めの曲をいくつか候補曲として挙げてみる。
また、今回は野外ステージでの演奏となる。
そこで、バラードのようにハーモニーをしっかり聴かせる曲よりも、リズムやテンポ感が分かりやすい曲を中心に選別がされる。
その結果選ばれたのがこれらの曲だ。
・兄弟船
・ペガサス幻想
・キューティーハニー
・TOUGH BOY
・Gold Finger 99
何という偏った選曲。この偏りこそ、ぷっちだるのぷっちだるたる所以であろう。
演歌とアニメソングが万博会場に流れるこの背徳感。
想像するだけで得も言われぬ快感を覚える。
これらの曲から本番で歌う曲を選ばなければならない。
途中でMCを入れることも考えると、歌えるのは3~4曲といったところか。
そうすると、この5曲の候補から1~2曲を削らないといけないことになる。
この選択が難しい。
歌える曲の候補を挙げるのは比較的容易である。その時点において「歌えるかどうか」という判断基準に基づき選別をすれば良いからだ。
しかし、削る場合は事情が異なる。「なぜその曲を削るのか」という具体的な理由を考えないといけないからだ。
他の曲と比較して、なぜその曲を候補から外すのか。
候補として実際に挙がってしまうと、選考から外すのにはそれなりの理由が必要になるのだ。
しかし、時間は10分に限られている。
決断の時は刻一刻と近づいてくる。
全部歌えばいいのではないか?
まさかの発想の転換。悩むくらいなら5曲とも歌えってしまえばいい。
10分で5曲。狂気の沙汰である。
そんなことが本当に可能なのだろうか。
各曲の演奏時間を見てみよう。
・兄弟船 1分30秒
・ペガサス幻想 2分
・キューティーハニー 42秒
・TOUGH BOY 2分
・Gold Finger 99 2分
・合計 8分12秒
・・・うん。理論上は可能である。
でも、これだと曲間を開けることができないのではないだろうか。
曲と曲の間にパーカッションとベースを入れてつなげたらいいのではないか?
演出上、連続性を見せるためにあえて曲間を開けないことにするということか。
しかし、ぷっちだる名物のMCがなくなってしまうのではないだろうか。
パーカッションとベースの上にMCを乗せればいいのではないか?
おっふ・・・。できちゃうねぇ。
やったことはないけど、できちゃうねぇ。
しかし、ここで最も大きな問題がある。メンバーの体力は持つのだろうか。
あとは、まぁ根性かな
最後は根性論である。
やらない理由を教えてくれ。
しかし、しかしである。
本当に計算どおりに歌えるのか。
実際に通して歌ってみた。
結果、MC込みで9分12秒。
え、本当に10分に収まったの?
偶然じゃないの?
そこで、再度試してみた。
結果、MC込みで9分14秒。
驚くべき再現度の高さである。
さぁ、いよいよ準備はできた。
世界を相手に、ついにぷっちだるが自分たちをさらけ出す時が来た。
次回、いよいよ本番当日のレポ。
乞うご期待!







