そして、彼らは城壁を超える ~中之島春の文化祭2016~

このヒリヒリとした緊張感。そう、この目だ。俺たちを見つめる「誰だ、こいつらは?」という目線。
久しぶりに感じたこの感覚。そう、アウェー感というやつだ。
思い起こせば周りのすべてが敵に見えたあの頃。
どしゃ降りの雨の中、路地裏に逃げ込んで走り続けたあの日々。俺たちにできたのはただ叫ぶことだった。
けど、不思議なことに俺たちには不平や不満といったものはなかった。そこには、同じものを求めて一緒に走る仲間がいた。仲間と一緒に歌える歌があった。
その時からだ。俺たちが裏通りを走り続けるようになったのは。
今は誰にも気づかれなくたっていい。いつの日か、ここで誰かが叫んでいた。その痕跡だけを残せればいい。そう思っていた。
だから俺たちはがむしゃらに叫び続けた。触るものはみんな傷つけた。分かり合えた友の愛する人さえも欲しがっていた。
ビルの隙間にむなしく響き渡る己の叫びを聞きながら、それでも俺たちは走り続けた。
それがいつの間にかどうだ。俺たちはまるでぬるま湯に使っていた。
少しばかり褒められたからと言って調子に乗っていた。
緊張感のない日々を送り、このヒリヒリするような感覚を忘れていたんだ。
やってやる。あの頃のように、俺たちのことを知らない奴らの心に、俺たちの名前を刻み込んでやる。お前たちの記憶に、忘れられないフレーズを刻み込んでやる・・・!!!
・・・と思ったかどうかは別にして、ということでやって参りました。
ABCホール開設8周年記念「中之島春の文化祭」でございます。
いやいや、遂にテレビ関係のイベントに出演ですよ。放送倫理とかに引っかからないですかね。
え、テレビには映らない?「余計な心配はするな、この猪口才が。」と。
なるほど、なるほど。ごもっともでございます。
我ら裏街道をまっしぐら、オンリーワンだからナンバーワンをモットーに活動する総合エンターテインメント集団ぷっちだるでございます。
テレビに映るよりもまず観客の皆様に夢と希望と明日の勇気、そして大きな笑いをお届けするのが我らの宿願でございます。
さてその宿願を果たすべく、まずお送りいたしましたのはアニメ進撃の巨人の主題歌「紅蓮の弓矢」でございます。
はい、そうですね。M○Sの番組でございます。
初っ端からぶつけてきましたね。
けどさすがに2曲目は大丈夫でしょう。
何?次は2曲続けてお届けですと?ははーん。て言うと、ここの天下のABC様にあやかろうという魂胆でございますね。旦那も人が悪いや。へへ。
てことで、何を歌んでございますか?
何々。格闘漫画の金字塔、北斗神拳を自在に操る世紀末救世主伝説をテーマにしたアニメ。
てぇと、「北斗の拳」でございやすね!
それ、8チャン!!
ABC、6チャン!!!
しかも「youはshock!」の曲じゃなくて、「silent surviver」と「tough boy」ですって!?
何だかセリフも入ってるし、やりたい放題じゃないでゲスか!!
次はしっかりと決めて下さいよ。
6チャンと言えば色々あるでしょう。もっとこう、国民的なアニメが。金曜日にやってるやつね。夜の7時頃からやってる。そうそう、あれですよ。
そうそう、「宇宙刑事ギャバン」ね。
それ、7時30分からのやつ!!
30分ずれてしもてますやん!!!
ていうか、今はもうやってないでしょ!?
え、もう最後の曲?
あっしはもう疲れやしたよ。どうせ6チャンじゃないんでがしょ?
え、次はちゃんとやる?本当ですか。
で、何を歌うんでやんしょ?え、ロボット系のアニメでやんすか?
6チャンでロボットといえば、何がありやしたっけ?
あ~、はいはい。「新世紀エヴァンゲリオン」ですね。
はい、ちゃんとやってません。結局好きな歌しか歌ってません。
まぁね、僕らはこんなもんでございます。それでも皆さまの心に、記録ではなく記憶を、感傷ではなく印象を残せたればこれ幸いでございます。
次の出番はよりアイですか。
え、もしかするとまた別のイベントに出るかも知れないって?
オラ、ワクワクしてきたぞ!!
(終)